外見で人を判断しないで・・・!
アメリカで、顔面移植手術を受けた女性が記者会見されました。
“いたわり”から“いたぶり”へ
彼女は、訴えます・・・「外見で人を判断しないで」・・・と。
今、わが国のテレビを観ても、容貌や容姿によって、人を決めつける言葉が氾濫しています。お笑い芸の世界でも、容貌を笑いものにする悲しい芸風が氾濫しています。
いわく、イケメンタレント、美女図鑑、ブサイクタレント、とか・・・。観る私たちは、感覚が麻痺し、批判力や判断力が十分育っていない子どもたちの間では、イジメの言葉として使われます。
かつて、あの植木等さんは、「容貌と下ネタは、芸として最低!」という発言をしています。かつてのお笑い芸は、観客の中の“弱い立場にある人”に光をあて、いたわるような芸風が主流でした。あのチャップリンにしても、社会の片隅で生きている人たちに勇気を与える映画を創りました。いはく、「街の灯り」「ライムライト」と。あの「独裁者」という映画にしても、庶民の目線から、1930年代、当時の独裁者ヒトラーを強烈に風刺する映画を創りました。
私の印象では、日本の落語にしても、江戸時代、侍批判を許されなかった町人たちが、笑いの姿を借りて、権力持つ人を、風刺する反骨精神が満ちたものとして、庶民の間に根づいてきました。
かつてのお笑い芸には、“弱い立場の人”を労り、光をあて、さらに、力ある者を風刺する、庶民への愛情・力ある者への反骨があったように思います。
それが、今のお笑い芸には、観客の中の“弱い立場の人”をいたわるのではなく、弱い立場の人をイタブって、下卑た笑いをとり、力ある者にはほとんど“批判”も“風刺”もしない、反骨精神が見うけられない悲しい芸風が、氾濫しています。
やってる本人たちは、それで面白い、観客も笑ってる、と思っているようですが、複雑な思いでテレビ画面を観ている人への思いに気づかないか、無視している・・・。
“いたわり”から“いたぶり”へ・・・。女性や高齢者がそのターゲットに、なっています。 (長くなりますので、明日以降につづけます)
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