平和のいのり・・・比屋根憲太くん(小6)の詩

夢想花

2009年06月25日 19:56

沖縄戦から64年。6月23日は沖縄県の「慰霊の日」、沖縄全戦没者追悼式で小学6年の比屋根くんが詩を朗読しました。会場周辺は凄い交通渋滞で、私たちは式には間に合いませんでしたが、会場で配られた号外で、その詩の素晴らしさを知ることができました。。・・・ぜひ、お伝えしたくて、きょうは私の中途半端な講釈は、小休止します。
 

平和のいのり 比屋根憲太(大里北小6年)
 
石に刻まれた家族の名に
涙を落とす祖母
なんの形見も残っていない石に
声にならない声で
石をさすり
石をだきしめる
小さな声でとても小さな声で
「本当は話したくないサー」
少し首をかしげて
空を見上げる
人さし指の大きさの大きな傷
あごと左腕に残る
戦争の傷あと

   祖母は傷の手当てをするために
   水くみに行った
   防空ごうに姉を残し 母と二人で
   そのあとすごい光と音が…
   そのまま姉はもどらなかった
   「いっしょに連れて行けばよかった」
   「ごめんね ごめんね」
   と何度も何度も
   きたときよりも
   石を強くさすり
   石を強くだきしめる
   ぼくはもう声を上げて泣いていた
   そして祖母の背中をずっとさすった
   こんな青い空に
   こんなおだやかな沖縄に
   戦争は似合わない
   祖母のくしゃくしゃな涙も
   似合わない

     そんな祖母はもう今は歩くことが
     できない
     毎日毎日空を見て
     きっと
     生きている喜び
     生き残った悲しみを感じて
     いるのだろう
     ぼくは車イスをおして
     祖母のいのりを引きつぐ
     戦争のない平和な国を



※ 沖縄への旅は、ブロガーのつむぐさんのご案内で、車の運転で、通常の観光旅行では窺えない沖縄戦につながる跡を、もうひとりの方と尋ねました。今までの観光地旅行では味わったことのない何か思いをひきずるものが、ずしんと心に残る旅でした。それが何なのか・・・調子よく、分かった風なことを言うのもつらいし、ぼつぼつと、少しずつでも、勉強を深めて、自分なりの意見をまとめていきたいと思っています。


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