この静寂、平和、安寧を・・・

夢想花

2009年07月15日 03:18

 柄にもなく、深夜、おセンチになりました! の詩(もどき)です。


    この静寂、平和、安寧を・・・


真夜中に眼が醒めて
パソコンに向かっている

窓外に、猫の鳴く声
ニャーニャーとミャーミャーとウォーンのような
恐らくこの辺を、根城にしている野良猫の声
恨むような、求めるような、
しつこく、切なく、鳴いている


その声に誘われて
家の外に出てみると
鳴き声がピタっと収まり
あとは、人ひとり通らぬ
数時間前まで、あれほど喧噪をまき散らしていた
車のきしみもない静寂の世界


見上げる天空に半月が雲のまにまに漂って
星が幾筋か、しっかりと光を放ってる
風が、遠慮がちに、通り抜け
人の世の街灯が、アスファルトの道を照らし
遠くに赤信号が、規則正しく点滅し、
家並みのあちこちに灯る明かりが
夜のしじまに抗して働いている


明かりの向こうの人たちの群れ
いま、ひっそりと
昼間の喧噪が噓みたいに
だが、しっかりと
時を刻み、思いを繋ぎ、生活を積んでいる


人だけでなく
猫も、木も、花も、
時を刻み、思いを繋ぎ、生活を積んでいる


この静寂、この平和、この安寧
誰が、打ち破る権利を持つと言うのか?
名もなき人も、そうでない人も
老いも若きも、子どもも大人も
女も男も
そこに居る、猫も犬も、木も花も
眠っているだろう鳥たちや虫たちも
安寧に、平和に
静かに、時を刻めるように
憚ることなく、思い繋げますよう
静かに、時を刻めますよう・・・


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